「やりたいことが分からない」——それ、実は普通のことです
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この記事を読むとわかること:(読了目安:5分)
「やりたいことが分からない」のは、珍しいことでも劣っていることでもありません。多くの人は「やりたいこと」からではなく、「やりたくないこと」「得意なこと」「大事にしたい価値観」の3つから逆算して見つけているんです。この記事を読み終える頃には、「分からない自分」への焦りが、「じゃあ何から手をつければいいか分かる状態」に変わります。
飲み会や何気ない会話で「将来どうしたいの?」と聞かれ、答えられずに笑ってごまかす——そんな場面を経験したこと、ありませんか。「周りはみんな決まっているのに、自分だけ分かっていない」という感覚は、仕事の時間だけでなく、こうした日常の会話の中でもじわじわと自信を削っていきます。
実家に帰省したときに、親から「そろそろ将来のこと、ちゃんと考えてるの?」と聞かれて、生返事でごまかしてしまう——お正月やお盆にそんな気まずさを覚えた方もいるかもしれません。友人がSNSで「新しい資格に挑戦します」と前向きな投稿をしているのを見て、自分だけ何も定まっていないような気持ちになる。そんな小さな比較の積み重ねが、休日の気分にまで影を落としていくこともあります。
はじめに:「やりたいことは?」に答えられなくて焦っていませんか
自己分析や面接で「あなたのやりたいことは何ですか」と聞かれて、答えに詰まったことはありませんか。周りは自分のやりたいことをはっきり語っているように見えて、余計に焦ってしまう——そんな経験をしている方は少なくありません。
キャリア相談の現場では、「やりたいことが分からない」と話す方に本当によく出会います。でも実は、「やりたいことがはっきり分かっている」人の方が少数派なんですよね。それくらい、ごく普通の状態だと思ってください。
転職活動で困ることの上位は、どれも「自分のことがわからない」
「転職活動で困ること」を尋ねた複数回答の調査で、「やりたいことがわからない」と答えた人は39%にのぼりました。しかも1位・2位の「アピールポイント」「適性」も、結局は自分自身を言葉にできないという同じ悩みです。「わからない」と感じている人は、あなたの他にも大勢います。
出典:エン・ジャパン「1万人アンケート『転職活動における「わからない」』調査」(2018年9〜10月、エン転職ユーザー10,663名対象)
周りが自信を持って語る「やりたいこと」も、実は多くが後付けの言語化です。最初から明確だったわけではなく、いくつかの経験を振り返って、それらしく整理して話せるようになっただけ、というケースがほとんどです。今すぐ答えられないことは、周りとの差ではありません。
なぜ「やりたいこと」を直接考えても出てこないのか
実は、「やりたいこと」を直接考えて答えを出そうとする方法自体に、無理があります。人は、これから先に何をしたら満足するかを想像する力が、もともと苦手だと言われています。心理学者ダニエル・ギルバートらが提唱した「感情予測(アフェクティブ・フォーキャスティング)」という研究分野では、人が将来の自分の感情を予測しようとすると、その強さや持続期間を実際より過大に見積もってしまう傾向(インパクト・バイアス)が繰り返し確認されています。一方で、過去に実際に感じた「嫌だった」「意外と楽しかった」という反応を思い出す力は、比較的あてになります。
つまり、「これから何をしたいか」を未来に向かって直接考えるのではなく、「今まで何にどう反応してきたか」という過去の事実から逆算する方が、脳の得意な使い方に合っているということです。次の3視点は、この逆算の考え方に基づいています。
「やりたいこと逆算3視点」で探す
やりたいことを直接考えるのが難しいときは、次の3つの視点から逆算する方法があります。
やりたいこと逆算3視点
① 消去法
「やりたくないこと」から絞り込む方法
→ まず嫌なことを書き出してみる
② 得意なこと
自然にできてしまうことを探す方法
→ 人から言われた「得意」を思い出す
③ 大事にしたい価値観
どんな状態で働きたいかを考える方法
→ 譲れない条件を書き出す
3つの視点から書き出してみる
次の3つの問いに、思いついたままメモしてみてください。うまくまとまらなくても大丈夫です。
- 今の仕事・過去の仕事で、絶対にやりたくないと感じたことは何ですか(例:単調な作業をずっと続けること…)
- 周りから「それ得意だよね」と言われたことはありますか(例:話を整理してまとめること…)
- 仕事をする上で、絶対に譲れない条件は何ですか(人間関係、収入、自由度など。例:自分のペースで進められること…)
この3つの答えを並べてみるだけで、「やりたいこと」がぼんやりとでも輪郭を持ち始めます。一度で完璧な答えを出す必要はありません。
3つを並べると、実際に何が見えてくるか
実際にこの3つの視点で書き出したある方の例を紹介します。①消去法では「単調な作業をひたすら繰り返すのは絶対に嫌だ」、②得意なことでは「人の話を整理してまとめるのが得意」、③大事にしたい価値観では「裁量を持って自分のペースで進められること」という言葉が出てきました。3つを並べてみると、「裁量を持って、人の話を整理しながら進める仕事」という輪郭が見えてきたそうです。それまで「やりたいことが分からない」と漠然と感じていたのが、この輪郭ができてからは、求人票を見たときに「これは近いかも」「これは違うかも」と自分の物差しで選べるようになった、と話していました。
すぐに答えが出なくても大丈夫
「やりたいこと」は、一度考えて終わりのものではなく、経験を重ねる中で少しずつ更新されていくものです。今すぐ明確な答えが出なくても、焦る必要はありませんよ。自分の物差しが少しずつできてくると、家族に将来のことを聞かれても身構えずに答えられるようになりますし、友人の充実した投稿を見ても「自分は自分のペースで」と思えるようになっていきます。休日にふと「このままでいいのかな」と考え込む時間も、自然と減っていくはずです。
まとめ:「分からない」は自己分析の出発点
「やりたいことが分からない」という状態は、自己分析のゴールではなくスタート地点です。3つの視点から逆算して、少しずつ言葉にしていきましょう。周りが自信満々に語っているように見えても、それは後付けの言語化がうまいだけかもしれません。あなたが今分からないことは、遅れているということではなく、まだ言葉にする作業をしていないだけです。「大事にしたい価値観」の部分をもっと深掘りしたい方はそちらの記事から、「得意なこと」を言葉にしたい方は強みの答え方から、自己分析全体にじっくり取り組みたい方はガイドから読み進めてみてください。
次に読む記事
- 何を大事にして働きたい?自分の「価値観」を知る方法(価値観を深掘りしたい方に)
- 面接で聞かれる「あなたの強みは?」——ちゃんと答えられますか?(得意なことを言葉にしたい方に)
- 自分に合う働き方を見つけるための自己分析〜全体ガイド〜(自己分析全体に取り組みたい方に)
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
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目的別に進める4つの調べ方
1. 今の年収と求人相場を比べる
平均給与だけでは参考になりません。国税庁の令和6年分調査では民間給与の平均は478万円ですが、年代や業種による差は大きいからです。実際に自分の職種・経験年数・地域に近い求人を10件程度見て、提示年収の最低額と最高額の範囲を確認することが大切です。
詳しい手順は転職サイトで相場を確認する方法で解説しています。
2. 経歴を棚卸しして、経験を言葉にする
まずは「やったこと」「工夫したこと」「得た成果」の3点を整理します。この段階の目的は金額を出すことではなく、経験を他社にも伝わる言葉にすることです。
詳しい手順は経歴の棚卸しの進め方を見るで解説しています。
3. エージェントに相談して、個別に客観視する
求人検索だけでは見えにくい強み・応募できる求人・現実的な年収幅を確認したい場合は、転職エージェントへの相談が向いています。得意な業界や年代は会社ごとに異なるため、1社の意見を唯一の答えにしないことも大切です。
エージェントの選び方は転職エージェントの選び方を、相談型サービスの特徴はパソナキャリアの概要を参考にしてください。
4. スカウト型サービスで、市場からの反応を見る
忙しくて面談の時間を取りにくい場合は、経歴を登録し、どの企業やエージェントから反応があるかを見る方法があります。提示される職種や条件を、求人相場や相談結果と合わせて確認しましょう。
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