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この記事を読むとわかること:(読了目安:21分)
会社員の副業確定申告における「20万円ルール」の正確な判断基準、収入・経費・所得の違い、初心者が迷わず進める4つの準備ステップ、つまずきやすい注意点までがわかります。

副業の確定申告、自分にも必要?

「売上が20万円を超えたら、全員申告しないといけないの?」
「手続きを間違えて、会社に副業が知られたらどうしよう……」

普段は年末調整で会社が税金を計算してくれるので、自分で申告する機会はなかなかありません。確定申告が難しく見えるのはそのためで、仕組みがわかれば手続き自体はシンプルです。

確定申告とは、1年間の所得と税額を自分で計算して、税務署に申告・納税する手続きです。副業で一定の所得がある場合は、その分を自分で申告する必要があります。

まずは、申告が必要かどうかを決める「20万円ルール」から確認していきましょう。

「20万円ルール」の正確な判断基準

国の税金(所得税)のルールにおいて、会社員などの給与所得者が確定申告をしなければならない条件は、国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」によって明確に定められています。

まずは基本のルールを押さえたうえで、知っておきたい例外のケースも確認していきましょう。

「年間収入が20万円」ではなく「年間の所得が20万円超」が基本の分かれ目

ここで押さえておきたいのが、「副業の売上(収入)が20万円を超えたら確定申告が必要」ではないという点です。

Webライティングやブログ、ハンドメイド販売など、会社に雇われずに収入を得る副業の場合、判定の基準は「収入」ではなく「所得(利益)」です。

対象となる期間は、1月1日から12月31日までの1年間です。この1年間の副業の収入から、その収入を得るために使った「必要経費」を差し引いて、手元に残った所得を計算します。

→ 表は横にスクロールできます

副業のケース 年間売上(収入) 必要経費 年間所得(利益) 所得税の確定申告
ケースA 30万円 15万円 15万円 不要(20万円以下)
ケースB 50万円 25万円 25万円 必要(20万円超)

ケースAのように、売上が30万円あっても経費が15万円かかっていれば、所得は15万円です。20万円以下なので、所得税の確定申告は必要ありません。

なお、基準は「20万円を超える場合」なので、所得がちょうど20万円なら申告は不要です。20万1円以上になった時点で申告が必要になります。

この判定を正しく行うには、「収入」「経費」「所得」の違いを押さえておくことが欠かせません。

当てはまる場合だけ確認したいケース

副業がアルバイト(給与所得)の場合は「年末調整されない給与収入」で判定する

注意が必要なのは、副業の契約形態が「業務委託」ではなく「アルバイトやパート」などの雇用契約(給与所得)である場合です。

例えば、平日は正社員として働き、週末に飲食店やコールセンター、イベントスタッフなどでアルバイトをしているケースが該当します。

会社員は通常、本業の勤務先で1年間の税金を精算する「年末調整」を受けます。年末調整は原則として1社でしか受けられないため、副業先のアルバイト代は年末調整されていない状態になっています。

この場合、アルバイト代は「給与所得」として扱われ、パソコン代や交通費などの経費を自分で差し引くことは認められません。そのため、「副業先から支払われた年間の給与収入(額面の総支給額)が20万円を超えるかどうか」で判定します。

  • 業務委託の副業(ライティングやデザインなど):収入 − 経費 = 「所得」が20万円超で申告
  • アルバイト・パートの副業(雇用契約):給与明細の総支給額 = 「給与収入」が20万円超で申告

ご自身の副業が「クライアントから報酬を受け取る業務委託」なのか、「企業に雇われてお給料をもらう雇用契約」なのかを、契約書や支払明細で必ず確認しておきましょう。

20万円以下でも確定申告が必要(またはした方がいい)例外的なケース

「副業の所得が年間20万円以下だから、自分には確定申告は一切関係ない」と油断してしまうのは危険です。実は、20万円以下であっても確定申告をしなければならないケースや、むしろ申告した方が得になるケースが存在します。

1. 医療費控除やふるさと納税などで本業の確定申告をする場合
年間の医療費が10万円(または総所得金額等の5%)を超えて「医療費控除」を受ける場合や、ワンストップ特例を使わずに「ふるさと納税の寄附金控除」を受ける場合、マイホーム購入の初年度で「住宅ローン控除」を受ける場合など、会社員でも確定申告(還付申告)を行うことがあります。

税法のルール上、「確定申告書を国税庁に提出する際は、たとえ副業所得が20万円以下であっても、すべての所得を漏れなく合算して記載しなければならない」と定められています。本業の還付を受けるついでに申告する場合、副業分の所得だけを意図的に除外することはできません。

2. 副業の報酬からあらかじめ「源泉徴収」されている場合
Webライティングやデザイン、プログラミングなどの仕事では、報酬が振り込まれる際にクライアント側であらかじめ所得税(10.21%など)が差し引かれている(源泉徴収されている)ことがあります。

もし年間の副業所得が20万円以下だった場合、本来はその副業に対して所得税を納める義務がありません。つまり、事前に差し引かれていた税金は「払いすぎ」の状態になっています。この場合、確定申告を行うことで、払いすぎた税金の還付(払い戻し)を受けられる可能性があります。

3. 本業の給与年収が2,000万円を超える場合
本業の給与年収が2,000万円を超える会社員は、会社での年末調整の対象外となるため、副業の有無にかかわらず全員が確定申告を行う必要があります。

ご自身の副業所得が20万円以下であっても、「自分が別の理由で確定申告をする予定があるか」「報酬から税金が引かれていないか」の2点は必ず確認しておきましょう。

次で、「収入」「経費」「所得」のそれぞれの意味を整理していきます。

迷いやすい「収入・経費・所得」の違いをわかりやすく整理

確定申告の案内や税金の解説記事を読んでいると、「収入」「経費」「所得」という3つの言葉が当たり前のように登場します。

日常会話では「今月の収入が増えた」「手取りの所得」などと同じような意味で使われがちですが、税金の世界ではこの3つは全く別の概念です。この違いがあやふやなままだと、自分が確定申告をすべきかどうかの計算が正しくできません。

難しく考える必要はありません。この3つの関係性は、次のようなシンプルな計算式で成り立っています。

所得(利益) = 収入(売上) − 必要経費(かかったお金)

身近な例として、「週末に手作りのレモネードを販売する小さなお店」をイメージしてみてください。それぞれの言葉が何を指しているのか、具体的に見ていきましょう。

「収入(売上)」とは:手元に入ってきたお金の総額

「収入(売上)」とは、副業の活動を通じてあなたの手元に実際に入ってきたお金の総額のことです。

レモネード屋さんの例で言えば、「1杯500円のレモネードが100杯売れて、レジに集まった合計5万円」が収入にあたります。

会社員の副業であれば、次のようなお金がすべて「収入」に含まれます。

  • クライアントから銀行口座に振り込まれた原稿料やデザイン制作費
  • クラウドソーシングサイト上で確定した作業報酬(システム利用料が引かれる前の総額)
  • フリマアプリやネットショップで商品が購入された代金
  • アフィリエイト広告やアドセンス広告の成果報酬

「自分の手取り額」ではなく、「相手から支払われた総額面」が収入になると覚えておきましょう。

「必要経費」とは:その副業収入を得るために直接使った支出

「必要経費」とは、その副業で収入を得るために直接使った費用のことです。

レモネード屋さんの例では、レモンやハチミツの材料費、紙コップやストローの購入代金、販売場所を借りるために支払ったレンタル代などが経費にあたります。これらがなければ、レモネードを作って売ることはできません。

副業の職種によって経費になるものは異なりますが、代表的なものとして以下が挙げられます。

  • 消耗品費:仕事用の事務用品、文具、梱包資材、10万円未満のパソコン周辺機器など
  • 通信費:副業のリサーチやクライアント連絡に使うインターネット回線代、スマートフォンの通信料
  • 図書研究費:副業のスキルアップや執筆リサーチのために購入した専門書籍、有料記事
  • 旅費交通費:クライアントとの打ち合わせや取材、商品の発送のためにかかった電車代や送料
  • 支払手数料:クラウドソーシングの手数料、銀行の振込手数料、プラットフォーム利用料

プライベートと仕事の両方で使っているもの(自宅の家賃や光熱費、Wi-Fi代、スマートフォン代など)は、副業で使った時間や面積の割合を合理的に計算して、その分だけを経費に計上します。これを税務上で「家事按分(かじあんぶん)」と呼びます。

「所得」とは:収入から経費を引いた「手元に残る利益」

「所得」とは、入ってきた収入(売上)から、かかった必要経費を差し引いたあとに最終的にあなたの手元に残った「純粋な儲け(利益)」のことです。

レモネード屋さんの例では、売上が5万円あり、材料費や場所代などの経費が2万円かかったとすれば、手元に残る儲けは「3万円」になります。この3万円こそが「所得」です。

50,000円(収入) − 20,000円(経費) = 30,000円(所得)

税金の計算において、国が課税の対象とするのは「売上の総額」ではなく、この「手元に残った所得」です。つまり、確定申告が必要かどうかの「20万円」という基準は、売上が20万円あるかどうかではなく、「経費を引いたあとの手元に残る利益が年間20万円を超えているかどうか」を意味しています。

この3つの違いが整理できると、「売上が20万円を超えてしまったから確定申告しなければ」と焦る必要はなく、まずは「今年使った経費をきちんと集計して引き算してみよう」と冷静に対処できるようになります。それでは、実際に確定申告を進めるための準備手順を見ていきましょう。

副業の確定申告は何から始める?初心者が迷わず進める4つの準備ステップ

確定申告の時期(原則として毎年2月16日から3月15日まで)が近づいてくると、「そろそろやらなきゃ」と思いつつも、何から手をつければいいのかわからず先延ばしにしてしまう方はとても多いです。

初心者が迷わず進めるための準備手順を、4つのステップにまとめました。

STEP 1:副業の「入出金明細」と「経費の領収書」を1カ所に集める

最初に行うべき最も大切な作業は、計算をすることではなく「副業に関するお金の記録を1カ所に集めること」です。

まずは家計簿用のファイルや大きめの封筒を1つ用意し、1年分(1月1日〜12月31日)の以下の記録を放り込んでいきましょう。

  • 入金の記録(収入の確認用):副業用の銀行口座の通帳、ネットバンキングの入出金明細画面の控え、クラウドソーシング(クラウドワークスやランサーズ等)の年間支払明細書、ASP(アフィリエイト)の振込明細画面
  • 出金の記録(経費の確認用):仕事用の道具を購入したときのレシート・領収書、ネットショップ(Amazonや楽天等)の購入履歴・領収書PDF、仕事用に使ったクレジットカードの利用明細

「領収書の整理が苦手」「日付順に並べなきゃいけないの?」と心配になるかもしれませんが、まずは月ごとにざっくり分ける程度で構いません。

電子取引(ネット通販やPDF領収書)で購入したデータは、印刷するかフォルダにまとめて保存しておきましょう。

STEP 2:本業の勤務先から「源泉徴収票」を受け取って保管する

副業の確定申告書を作成する際、副業の数字だけでなく「本業の会社から支払われた給与や納めた税金の数字」を一緒に記入する必要があります。

そのために欠かせない書類が、本業の勤務先から毎年12月〜翌年1月頃に交付される「給与所得の源泉徴収票」です。

会社員の方であれば、年末調整が終わった後に給与明細と一緒に紙で配られたり、社内のポータルサイト(Web給与明細)からPDFでダウンロードできたりします。

源泉徴収票には、以下の重要な情報が記載されています。

  • 1年間に会社から支給された総給与額(支払金額)
  • 年末調整後の給与所得控除後の金額
  • 支払った社会保険料や生命保険料の控除額
  • すでに会社経由で納めた源泉徴収税額

この源泉徴収票がないと申告書の作成が進みませんので、手元に紙があるか、あるいはPDFを保存できているかを早い段階で確認しておきましょう。

STEP 3:年間の副業所得を計算し「申告が必要か」を最終確認する

書類が揃ったら、1年間の副業所得を計算して、本当に確定申告が必要かどうかを確かめます。

複雑な会計ソフトをいきなり契約する必要はありません。ExcelやGoogleスプレッドシート、あるいは手元のノートに書き出すだけで十分です。

  • 収入の合計を出す:1年間に振り込まれた副業の総額を合計する
  • 経費の合計を出す:集めた領収書や明細から、仕事に直接使った支出を合計する
  • 引き算する:収入合計 − 経費合計 = 「年間の副業所得」

この引き算の結果、副業所得が「20万円以下」であれば、国の所得税に関する確定申告は不要です(ただし後述する住民税の申告は必要です)。もし「20万円超」になっていた場合は確定申告が必要となりますので、次のステップへ進みます。

STEP 4:国税庁「確定申告書等作成コーナー」やスマホで作成してみる

確定申告書の作成は、税務署の窓口に並ぶ必要はなく、自宅のパソコンやスマートフォンから簡単に行えます。

最もおすすめなのは、国税庁が公式に提供している無料のWebツール「確定申告書等作成コーナー」を利用する方法です。

画面の案内や質問に沿って、用意した「本業の源泉徴収票の数字」と「計算した副業の収入・経費」を入力していくだけで、税金の計算や申告書の配置をシステムがすべて自動で行ってくれます。

提出方法には主に次の2通りがあります。

  • マイナンバーカード方式(e-Tax):スマートフォンでマイナンバーカードを読み取るだけで、自宅にいながらオンラインで提出が完了します。書類の印刷や郵送も不要です。
  • 印刷して郵送または窓口提出:画面で入力して完成した確定申告書を自宅のプリンターやコンビニで印刷し、管轄の税務署へ郵送(または持参)して提出します。マイナンバーカードが手元にない場合でも利用できます。

「手続きを間違えたら怒られるのでは」と不安になるかもしれませんが、下書きの保存も何度でもできます。申告期間に入る前の1月頃からでも画面を動かせますので、まずは気軽に触ってみるのがおすすめです。

準備が整ったら、会社員が特につまずきやすい注意点もあわせて確認しておきましょう。

会社員が副業の申告でつまずきやすい2つの注意点

確定申告の準備を進めるときに、会社員の方が特につまずきやすい「落とし穴」がいくつか存在します。

知らずに放置してしまうと、後から役所から通知が届いて焦ったり、会社に副業が知られてしまったりする原因にもなりかねません。安心して副業を続けるために、次の2つのポイントをしっかり押さえておきましょう。

「所得20万円以下」でも市区町村への住民税申告は原則必要

会社員の間で非常によくある誤解が、「副業所得が20万円以下なら、税金の手続きは一切何もしなくていい」という思い込みです。

実は、これまで解説してきた「年間所得20万円以下なら申告不要」というルールは、国の税金である「所得税」に限定された特例です。

私たちが納める税金には、国の「所得税」とは別に、お住まいの自治体に納める「住民税(個人住民税)」があります。地方税法上、住民税には20万円ルールの特例が存在しません。

そのため、法律上の原則として、副業の所得がたとえ1万円や5万円であっても、お住まいの市区町村役場に対して「住民税の申告」を行う義務があります。

  • 国の所得税の確定申告を行った場合:税務署からお住まいの自治体へ申告データが自動的に連携されるため、自治体への住民税申告を別で行う必要はありません。
  • 所得税の確定申告をしなかった場合(副業所得が20万円以下など):お住まいの市区町村役場の課税課や税務課へ行き、住民税の申告書を提出(または郵送)する必要があります。

「所得が20万円以下だから確定申告は不要だけれど、住民税の申告は別で必要になる」という点は、見落としがちな盲点として覚えておきましょう。

会社に副業を知られたくない場合の住民税の納付方法(普通徴収)の選び方

「会社の就業規則が気になる」「職場の人に余計な詮索をされたくない」など、会社に副業を知られたくないと考えている方は多いはずです。

会社に副業が知られる最大のきっかけは、「住民税の決定通知書」です。

会社員の場合、通常は会社が給料から毎月住民税を天引きして自治体に納めています(これを「特別徴収」と呼びます)。副業で所得が増えると、その分だけ住民税の税額も高くなります。

何も対策をしないと、自治体から本業の会社に対して「副業分を含めた高い住民税額」の通知が届き、会社の経理担当者が「同じ給与の同僚と比べて、なぜかこの人だけ住民税の金額が高いな」と違和感を覚えることで発覚につながるのです。

これを防ぐための実務上の基本が、住民税の納付方法で「普通徴収(自分で納付)」を選択することです。

確定申告書を作成する際、第二表にある「住民税・事業税に関する事項」という欄の中に、「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」という選択肢があります。

ここで「自分で納付(普通徴収)」にチェックを入れると、副業分の所得に対する住民税の納付書が自宅に直接届くようになります。副業分の税金をご自身で銀行やコンビニから納付すれば、本業の給与天引き額には影響が出ないため、会社に知られるリスクを大幅に減らすことができます。

なお、副業がアルバイト(給与所得)の場合は、自治体の運用によって本業の給与と合算されて特別徴収になってしまうケースがあります。給与副業をしている場合は、事前に自治体の住民税窓口に「副業分の給与について普通徴収が可能か」を相談しておくと安心です。

最後に、ここまでの内容に関してよくある疑問をQ&A形式でまとめました。

副業の確定申告に関するよくある質問(FAQ)

副業で赤字(マイナス)が出た場合でも確定申告は必要ですか?

副業の収入から経費を差し引いた結果、年間の所得が0円以下(赤字)になった場合、納めるべき所得税は発生しないため確定申告をする義務はありません。なお、一般的な副業で該当する「雑所得」の赤字は、本業の給与所得と相殺(損益通算)して本業の税金を安くすることは法律上認められていません。ただし、副業の報酬から事前に所得税が源泉徴収されていた場合は、確定申告を行うことで差し引かれていた税金の全額還付を受けることができます。

副業の経費は何でも計上してもいいのですか?線引きの基準を教えてください

経費を増やせば所得は減りますが、無理な経費計上は税務調査で否認されるリスクがあります。判断基準は「その出費が、副業の売上を上げるために直接必要だったと客観的に説明できるかどうか」です。

経費にできる可能性が高いもの 経費にできないもの
副業用のパソコン・周辺機器代(10万円未満、または按分) 家族やプライベートで使用する私物の購入費
副業の調べ物に使うインターネット回線代(業務割合分) 仕事とは無関係な友人との外食代や飲み会代
クライアントとの打ち合わせにかかった喫茶店代 本業の会社への通勤にかかる交通費
副業のスキル習得に必要な書籍代・セミナー参加費 プライベート目的の旅行や趣味の費用
商品発送用の段ボール・梱包材・送料 普段着として着用する私服やスーツの購入費
領収書やレシートを紛失してしまった場合は経費にできませんか?

領収書やレシートを紛失してしまった場合でも、すぐに経費計上を諦める必要はありません。クレジットカードの利用明細書、銀行の振込記録、ECサイトの購入履歴画面、取引相手からの確認メールなどを保管しておくことで、支払いの事実を証明できれば経費として認められるケースが一般的です。また、冠婚葬祭の祝儀・香典や交通機関の自動券売機など領収書が出ない支出については、日付・支払先・金額・具体的な業務目的をメモした「出金伝票」を作成して残しておきましょう。

副業の確定申告を忘れて期限を過ぎてしまったらどうなりますか?

確定申告の期限(原則3月15日)を過ぎてしまった場合でも、そのまま放置せず気づいた時点ですぐに「期限後申告」を行ってください。期限を過ぎて申告すると、本来納める税額に加えて「無申告加算税」や遅延利息である「延滞税」が上乗せされるリスクがあります。ただし、税務署からの調査や指摘を受ける前に自分から自主的に申告を行えば、ペナルティの税率が大幅に軽減されたり免除されたりする救済措置が適用されます。

雑所得と事業所得の違いは何ですか?最初から開業届を出すべきですか?

雑所得は会社員の副業など副次的に得られる所得全般を指し、事業所得は継続して相当な時間と労力をかけ、社会通念上「独立した事業」と認められる規模の所得を指します。国税庁のガイドラインでは、副業収入が年間300万円以下かつ帳簿書類の保存がないような活動は、原則として「雑所得」に区分されると整理されています。副業を始めたばかりの初心者の段階では無理に開業届を出さず、まずは雑所得として確定申告を行い、事業規模が安定して大きくなった段階で開業届や青色申告を検討するのがおすすめです。開業届を出すかどうかの判断基準は、別記事「会社員が副業で個人事業主になる前に」で詳しく解説しています。

まとめ:確定申告は「現状の整理」から始めればいい

副業の確定申告は、手順を一つずつ整理すれば難しいものではありません。ポイントは、所得(収入−経費)が20万円を超えるかどうかで判断すること、超えなくても住民税の申告は必要なこと、そしてまずは領収書や源泉徴収票を1カ所に集めることから始まることです。

副業で収入を得られたこと自体が、すでに大きな前進です。確定申告は1年間の頑張りを確認する「健康診断」のようなものと捉え、まずは、無理のないペースで最初の一歩を踏み出してみてください。

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ゆうさん
長年、Web制作の側面から人材業界のお仕事のお手伝いをしてきた「はたらき方ナビ」運営者。企業の採用担当者や転職エージェントとの関わりの中で見えてきた実情をもとに、「今の仕事のままでいいのか」と迷う方が自分の状況を言葉にし、次の一歩を選べるようになる情報を発信しています。