派遣社員のしくみとメリット・デメリット
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この記事を読むとわかること:(読了目安:7分)
派遣社員の基本的なしくみやメリット・デメリット、注意点を整理し、自分に合う働き方かどうかを判断するためのポイントがわかります。
派遣社員のしくみ
派遣社員の特徴は、「雇用契約を結ぶ会社(派遣会社)」と「実際に働く現場(派遣先企業)」が分かれている点にあります。
正社員や契約社員、アルバイトなどの「直接雇用」では、働く会社と直接雇用契約を結び、給料の支払いや指示もその会社から受けます。
一方、派遣社員は以下のような役割分担のもとで働きます。
派遣のしくみにおける役割分担
- 派遣会社(雇用主)
雇用契約の締結、給与の支払い、社会保険の手続き、福利厚生の提供、就業中の悩み相談など - 派遣先企業(勤務先)
実際の業務指示、就業環境の提供
仕事内容や就業時間などの労働条件は、派遣会社と派遣先企業の間で交わされる「労働者派遣契約」に基づいて厳密に取り決められます。
そのため、契約外の業務を急に任されたり、理不尽な時間外労働を求められたりしにくいしくみになっています。
なお、派遣社員には主に以下の3つの働き方があります。一般的な「登録型派遣」だけでなく、多様な選択肢があることを知っておくと視野が広がります。
派遣社員の3つの働き方
- 登録型派遣(有期雇用派遣)
仕事が決まるごとに派遣会社と一定期間の雇用契約を結ぶ、最も一般的なスタイル - 無期雇用派遣(常用型派遣)
派遣会社に無期雇用(常用型)として雇用され、派遣先企業で勤務するスタイル - 紹介予定派遣
一定期間(最長6ヶ月)派遣として働いた後、双方の合意があれば直接雇用へ切り替わるスタイル
派遣社員として働く5つのメリット
派遣社員という働き方には、直接雇用にはない柔軟性や安心感があります。主なメリットを5つに整理しました。
メリット1
勤務時間や勤務地等の希望条件を選びやすい
「週3〜4日だけ働きたい」「残業なしで17時に退社したい」「自宅から30分以内のオフィスがいい」など、自分の希望条件に合った求人を派遣会社に相談しながら探せます。
育児や介護、資格の勉強、趣味など、プライベートを最優先にしたい人にとって大きな魅力です。
メリット2
業務範囲が明確で、契約外の残業や急な業務が発生しにくい
派遣社員の業務内容は契約で細かく定められており、契約に含まれていない雑用を押し付けられたり、突発的な残業を強いられたりすることは原則ありません。
定時で退社しやすく、仕事終わりの予定を立てやすいのが特徴です。
メリット3
未経験から大手企業や憧れの業界にチャレンジしやすい
正社員の採用選考では高いスキルや実務経験が求められる人気企業や大手企業でも、派遣であれば未経験歓迎の募集が出ていることがよくあります。
「まずは派遣で実務経験を積み、スキルを身につけてから次のステップに進む」というキャリアの第一歩としても活用できます。
メリット4
ノルマや管理職・組織マネジメントのプレッシャーがない
一般的に、派遣社員に売上ノルマや部下の育成・マネジメント、役職に伴う責任が課されることはありません。
社内政治や人間関係のしがらみから一歩距離を置き、目の前の担当業務に淡々と集中して働けます。
メリット5
困ったときは派遣会社のコーディネーターに相談できる
就業先で業務内容の食い違いや人間関係の悩みが生じた場合、直接会社の同僚や上司に言いにくいことも多いはずです。
派遣社員であれば、雇用主である派遣会社の担当者(コーディネーター)が間に入って相談に乗ってくれたり、派遣先企業と交渉してくれたりします。
一人で抱え込まずに済む相談相手がいることは、大きな安心材料です。
派遣社員を選ぶ前に知っておきたい注意点・デメリット
自由度が高く働きやすい反面、派遣社員にはあらかじめ把握しておくべき注意点やデメリットもあります。
デメリット1
同一組織への派遣は「原則3年が上限」(3年ルール)
労働者派遣法により、同じ派遣先の同じ部署(組織単位)で働ける期間は原則として最長3年と定められています。
居心地が良く「このまま同じ職場で働き続けたい」と思っても、3年を迎えるタイミングで部署異動、直接雇用の打診、あるいは別の派遣先への異動を検討しなければなりません。
デメリット2
契約更新の有無による雇用の不安定さ
派遣社員は通常、3ヶ月〜6ヶ月ごとの契約更新を重ねて働きます。
派遣先の業績悪化や人員整理、方針転換などによって「次の更新はない(契約終了)」と言われるリスクが常に存在します。
デメリット3
時給制が多く、大型連休がある月は収入が変動しやすい
派遣社員の給与は時給制が一般的です。そのため、ゴールデンウィークや年末年始、お盆休みなど祝日が多い月は勤務日数が減り、月給制の正社員と比べて手取り収入が落ち込む傾向があります。
年間の支出と収入のバランスを意識して生活費を管理する必要があります。
デメリット4
賞与(ボーナス)や退職金、昇給の幅が限定的
同一労働同一賃金の導入により待遇改善は進んでいるものの、一般的に正社員のようなまとまったボーナスや退職金の支給は限定的です。
また、長年勤めても時給が大幅に上がるケースは多くないため、生涯年収や長期的な資産形成の面では計画性が求められます。
派遣社員が向いている人・慎重に検討したい人
メリットと注意点を踏まえると、派遣社員という働き方がフィットするかどうかは「いま何を最優先にしたいか」によって分かれます。
派遣社員が向いている人
派遣社員が向いている人
- プライベートや家庭の時間を大切にしたい人
育児や介護、副業、趣味とのバランスを取りながら無理なく働きたい方 - 未経験の職種・業界で経験を積みたい人
事務職へのキャリアチェンジなど、まずは実務実績を作りたい方 - 責任の重い役職やノルマから離れたい人
精神的な負担を減らし、決められた業務に集中したい方 - 色々な職場環境を体験してみたい人
複数の企業で働くことで、自分に合う社風や仕事の進め方を見極めたい方
慎重に検討したほうがよい人
慎重に検討したほうがよい人
- 1つの会社で腰を据えて長期雇用を望む人
雇用期間の定めなく、安定して定年まで勤め上げたい方 - ボーナスや定期昇給で年収を右肩上がりに伸ばしたい人
評価制度やキャリアラダーに沿って年収アップを目指したい方 - 裁量権を持ってプロジェクトを主導したい人
企画や事業の根幹に深く関わり、大きな成果を出したい方
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不安を解消する2つの選択肢|無期雇用派遣と紹介予定派遣
「派遣の働きやすさには惹かれるけれど、3年ルールや雇用の不安定さが気になる……」という方には、通常の有期派遣以外の選択肢もあります。
1. 雇用の安定を高める「無期雇用派遣」
派遣というと「契約期間が決まっている」イメージが強いですが、全国で派遣として働く約201万人のうち4割超は、派遣会社と無期雇用契約を結ぶ「無期雇用派遣」です。
無期雇用派遣であれば、派遣先企業での就業期間が終わっても派遣会社との雇用関係が続くため、給与が途切れず、前述の「同一組織への派遣は原則3年まで」という3年ルールの対象外にもなります。
43.5%
- 無期雇用派遣
- 874,747人(43.5%)
- 有期雇用派遣(一般的な派遣)
- 1,134,347人(56.5%)
安定性を重視しつつ派遣のメリットを活かしたい場合は、登録時に派遣会社へ「無期雇用の募集枠があるか」を確認してみるとよいでしょう。
2. 将来的に正社員を目指せる「紹介予定派遣」
「いずれは正社員になりたいけれど、職場の雰囲気や実際の業務内容を見極めてから入社したい」という場合は、紹介予定派遣という制度を利用する方法があります。
最長6ヶ月間の派遣期間を経て、あなたと派遣先企業の双方が合意した場合に直接雇用(正社員または契約社員)へと切り替わるしくみです。「入社後のミスマッチを防ぎたい」という方にとって非常に心強い選択肢です。
まとめ
派遣社員という働き方は、時間の融通や業務範囲の明確さといった柔軟性がある一方、契約期間や待遇面での注意点も存在します。
人生のステージごとに働き方が変わるのはごく自然なことです。人生の約3分の1を占める仕事の時間を心地よいものにするために、今の自分にとって何が一番大切かを整理してみてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。制度の詳細は厚生労働省などの公式情報もご確認ください。
